
朝晩の気温差が大きくなり、空気も乾燥し始める秋。喉のイガイガや長引く咳、倦怠感を「夏バテの残り」と片付けていませんか? 実は秋花粉や乾燥による粘膜の弱まりが原因のことが多く、放置すると症状が長引くことも。本記事では秋の不調の正体とそのメカニズム、今すぐできる予防法や日常で取り入れたい食材・生活習慣をわかりやすく紹介します。
◆秋に増える体調不良の正体とは?
秋になると「なんとなくだるい」「喉が痛い」「鼻水が出る」といった不調を感じる人は多いものです。夏の疲れが残っているせいだと考えがちですが、実は秋特有の要因によって症状が出ている可能性があります。
◎秋特有の不調のサイン

喉のイガイガや咳が長引く、くしゃみや鼻水が増える、体が重くだるいといった症状は、夏バテでは説明しきれないことが少なくありません。とくに「朝晩に症状が強まる」「乾燥した日ほど悪化する」といった特徴があれば、秋花粉や空気の乾燥による影響が考えられます。
◎季節の変わり目は体調を崩しやすい
季節の変わり目は気温差が大きく、自律神経も乱れやすくなります。そのため、免疫力が低下し、アレルギー反応や感染症にもかかりやすくなる時期です。「夏の疲れが抜けない」だけで片付けず、秋特有の不調にしっかり目を向けることが大切です。
◆秋花粉と乾燥が不調を引き起こす理由
秋になると、喉の痛みや鼻水、だるさなどの不調が増えます。夏の疲れが残っているだけではなく、実は花粉や乾燥といった秋特有の環境が大きく関わっているのです。ここでは、秋花粉と乾燥が体にどのような影響を与えるのか、その理由を解説します。
◎秋の代表的な花粉とは

花粉症といえば春のスギやヒノキを思い浮かべる人が多いですが、実は秋にもアレルギーを引き起こす花粉があります。代表的なのは、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなど。これらは河川敷や道端など身近な場所に多く生え、9月から10月にかけて飛散のピークを迎えます。春に比べると認知度が低いため、症状が出ても「風邪かな?」と勘違いしやすいのが特徴です。
◎乾燥による粘膜の防御力低下
秋は湿度が下がり、空気の乾燥が進む季節です。乾いた空気を吸い込むと、鼻や喉の粘膜が乾燥してバリア機能が弱まり、花粉やウイルスなどの刺激を受けやすくなります。その結果、咳や喉の痛み、アレルギー症状が悪化しやすくなってしまうのです。
◎気温差と自律神経の乱れも影響
さらに、秋は日中と朝晩の気温差が大きいため、自律神経が乱れやすくなります。自律神経が不安定になると免疫の働きにも影響し、アレルギー症状が強まったり、体のだるさが取れにくくなったりします。花粉と乾燥、そして気温差が重なることで、秋の不調が一層目立つのです。
◆花粉・乾燥から身を守る生活習慣と食材
秋の不調を和らげるためには、原因となる花粉や乾燥から体を守ることが欠かせません。マスクや加湿といった基本的な対策に加え、体を内側からサポートする食材を取り入れることで、症状の軽減や予防につながります。ここでは、毎日の暮らしで意識したい工夫を紹介します。
◎日常的に意識したい基本の生活習慣

花粉対策には、外出時のマスク着用が有効です。さらに帰宅後は衣服をはたき、手洗いうがいを徹底しましょう。乾燥が気になるときは加湿器を活用し、室内の湿度を50~60%に保つのが理想です。睡眠と休養をしっかり取ることも、自律神経を整えて免疫力を保つうえで大切です。
◎喉をうるおす旬の食材
秋の乾燥で弱った喉や鼻の粘膜を守るには、うるおいを与える食材を意識すると良いでしょう。れんこんには粘膜を保護する働きがあり、咳や喉の違和感に役立ちます。梨は水分が豊富で喉をうるおし、はちみつは、抗菌作用と保湿効果が期待できます。
◎免疫力を高める食べ物

体の抵抗力を高めることも秋の不調対策には欠かせません。ビタミンCを含む柑橘類やキウイ、エネルギー代謝を助けるビタミンB群を含む豚肉や卵がおすすめです。そして亜鉛を多く含む牡蠣などを積極的に食事に取り入れると、免疫機能の維持に役立ちます。
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秋は気温差や乾燥に加えて、意外と見落とされがちな花粉の影響も重なり、体調を崩しやすい季節です。もし喉のイガイガや咳、だるさを感じたら「夏の疲れかな」と流さず、秋特有の不調を疑ってみましょう。マスクや加湿で外から守り、旬のれんこんや梨、はちみつなどを食卓に取り入れて内側からケアすることが、元気に秋を楽しむ秘訣です。秋の不調を“夏の疲れ”と勘違いせず、花粉や乾燥に合わせたケアを心がけてみてください。